【障害福祉】開業後に必要な義務化書類と運営指導対策まとめ

神戸三宮のきしだ行政書士事務所です。弊所は障害福祉サービス事業所のサポートを専門にしております。

今回は、指定申請後にどのような書類が必要か?利用者の受け入れ時に何をすればいいのか?義務化の書類は何がある?など、指定申請後の事業者様からのご質問が多い内容を取り上げたいと思います。

弊所では、神戸市を中心に障害福祉サービス事業所の指定申請や開業後の運営サポートをさせていただいております。

特にはじめて障害福祉サービス事業所を開業することが決まった時、事業所は利用者の受け入れ準備を終えておかなければいつまでたってもサービス提供ができません。

障害福祉サービス事業所はサービス費を国保連へ請求しますが、その請求金額は2か月遅れで事業所の口座へ振り込まれます。その関係で早く利用者にサービス提供する必要があります。

ではまず利用者を受入れサービス提供する際に必要な書類には何があるのでしょうか?

【利用者の受け入れ時に必要な書類】

★契約書

★重要事項説明書

★個人情報利用に関する同意書

・秘密保持に関する誓約書(雇用時)

きしださん

★印は実際に利用者と事業所運営法人との間で契約の時に必要な書類です。

重要事項説明書には以下の事項が含まれている必要があります。

  1. 事業者、事業所の概要(名称、住所、所在地、連絡先など)
  2. 運営規程の概要(目的、方針、事業の主たる対象とする障がいの種類、営業日時、利用料金、通常の事業の実施地域、提供するサービスの内容及び提供方法など)
  3. 管理者氏名及び従業者の勤務体制
  4. 提供するサービスの内容とその料金について
  5. その他費用(交通費など)について
  6. 利用料、その他費用の請求及び支払い方法について
  7. 秘密保持と個人情報の保護(使用同意など)について
  8. 事故発生時の対応(損害賠償の方法を含む)
  9. 緊急時の対応方法
  10. 苦情解決の体制及び手順、苦情相談の窓口、苦情・相談の連絡先(事業者、市町村窓口、運営適正化委員会など)
  11. 提供するサービスの第三者評価の実施状況(実施の有無、実施した直近の年月日、評価機関名称、結果の開示状況)
  12. 虐待防止について
  13. 事業者、事業所、利用者(場合により代理人)による説明確認欄
  14. サービス提供開始予定年月日

契約書や重要事項説明については障害の特性に配慮した文書の作成を求められています。

  • 利用者の自己決定を尊重したサービスの提供にあたり、利用者本人が契約の当事者となり主体的な意思に基づいた契約が締結されなければなりません
  • そのため利用者があらかじめ望むコミュニケーション手段を聞き、準備を整えなければなりません
  • 点字版、拡大文字版、テープ版などの資料をあらかじめ用意するよう努めなければなりません
  • 法定代理人がいる場合には、署名は法定代理人も必要となります

個人情報利用に関する同意書は、サービス担当者会議や他の障害福祉サービスや医療サービスとの連携の際に個人情報を利用します。そのためにあらかじめ同意を得ておく必要があります。

利用者ご本人の同意のみではなく、ご家族の情報も含まれる場合が多いため、この同意書にはご家族の同意もいただきます。

秘密保持誓約書は、障害福祉サービス事業所に勤務する従業者は、利用者やそのご家族の情報に多く触れる機会があります。その個人情報はとてもデリケートな内容を含みますので勤務している期間はもちろんのこと、その事業者運営法人を退職した後も知り得た個人情報を他者へ漏洩しないことへの誓約書です。

【運営後に必要な義務化の書類(減算あり)】

事業所において作成や整備が必要かつ義務化されている書類が多くあります。ここでは義務化されている、かつ整備していないと減算されてしまう書類です。

★身体拘束適正化

★虐待防止

★BCP(感染症・自然災害)

★情報公表

身体拘束適正化は、身体拘束は基本的に行いませんが、どうしても行う場合は個別支援計画に位置づけ「切迫性」「非代替性」「一時性」の3要件を充たした上で行う措置です。

必要な整備一覧

*指針の整備(法人としての指針)

*マニュアルの整備(事業所においてのマニュアル)

*委員会の実施(年1回)

*研修の実施(年1回)

*従業員への周知(事業所の対応や方針について)

*身体拘束の記録の整備

虐待防止は、その名の通りですが事業所運営する上で「これは虐待にあたるのか?」といった事案に遭遇することはありませんか?弊所もご相談の中でこのようなお話をいただくことはあります。これは「ヒアリハット」にもつながってくることも有るかもしれません。事業所で明らかな虐待を防止することはもちろんですが、事故防止にもつながりますのでしっかり整備してください。

必要な整備一覧

*指針の整備(法人としての指針)

*マニュアルの整備(事業所においてのマニュアル)

*委員会の実施(年1回)

*研修の実施(年1回)

*従業員への周知(事業所の対応や方針について)

*虐待の記録の整備

きしださん

※身体拘束適正化と虐待防止について、「委員会」「研修」は同時に開催しても問題ありません。ただし1回の実施に両方の内容を盛り込み記録を取ってください。

BCPは自然災害や感染症のまん延等が発生しても重要な事業所中断させない、または中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための方針、体制、手順等を示した計画を言います。内容を「自然災害」と「感染症」に分けた方がより良い計画になります。一つにまとめても問題はありません。ただし両方の内容を盛り込んでおかないと減算となりますので注意してください。

障害福祉サービス事業所等における自然災害発生時の業務継続ガイドライン等について|厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17517.html

必要な整備一覧

*BCP(自然災害用)

*BCP(感染症用)

*研修(年1回)

*訓練(年1回)

*従業員への周知(事業所の対応や方針について、計画の内容について)

情報公表は新規指定時にWAMNETの情報を作成すること、運営後法人の決算後3か月以内に決算情報を更新することです。その他、共同生活援助ですと「地域連携推進会議」の実施を公表する必要がありますし(HP等でも可能)、利用者はどの事業者のサービスを利用するかを選択する機会にもなります。積極的に情報を最新情報にするようにしましょう。

【運営後に必要な義務化の書類(減算なし)】

障害福祉サービス事業所の指定後、運営が開始されると様々な書類の整備が必要になります。ここで上げる書類類に減算はありませんが運営指導時に必ず確認されるものばかりです。減算は無くても、これらの書類が整備されていないとなると、運営指導に来た担当者への心象は限りなく悪くなります。これらの書類の整備について「減算はないので大丈夫」とは思わないようにしてください。

★非常災害対策

★食中毒及び感染症まん延防止

★ハラスメント対策

★人権研修

★苦情対応

★事故対応

★緊急時対応

★ヒヤリハット

非常災害対策は主に火事や地震、大雨など非常時の対策です。

必要な整備一覧

*指針(法人としての指針)

*マニュアルの整備(事業所においてのマニュアル)

*訓練

*従業員への周知(事業所の対応や方針について)

食中毒及び感染症まん延防止は、文字通り食中毒や感染症(インフルエンザなど)が事業所において起こった時ためのものです。これは研修・訓練の回数が多いので計画的に行ってください。食中毒の場合は起こりやすい時期に、感染症もまた起こりやすい時期に備えて研修・訓練を行うようにしましょう。

感染対策マニュアル・業務継続ガイドライン等について|厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_15758.html

必要な整備一覧

*指針の整備(法人としての指針)

*マニュアルの整備(事業所においてのマニュアル)

*委員会の実施(年4回)

*研修の実施(年2回)

*訓練の実施(年2回)

*従業員への周知(事業所の対応や方針について)

ハラスメント対策は、近年はセクハラ・カスハラ対策が義務化されています。利用者はもちろんですが従業者を守るためにも必要な対策となります。

必要な整備一覧

*指針の整備(法人としての方針)

*相談窓口の設置

*マニュアルの整備(事業所においてのマニュアル)
*利用者や従業者への周知(事業所の対応や方針、窓口について)

*記録書式の整備

人権研修は、事業所の開業前に実施するものですが、新規採用時には必ず行い、さらに年1回は研修を実施してください。その研修の参加メンバーの氏名と研修内容の記録を保管しておきましょう。

苦情対応は、指定申請時にどのような対応をするかは提出していると思います。それ以外にも書式の整備等も必要となります。

必要な整備一覧

*指針の整備(法人としての方針)

*マニュアルの整備(事業所においてのマニュアル)

*周知(事業所に掲示します)
*記録書式の整備

事故対応は文字通りですが、本当に事故が起きると保障問題にも発展していきます。また軽い事故であっても記録に残す必要がありますし、どのような事故であれば指定権者への報告が必要か判断に迷う場合もあるでしょう。あってはならないものですが、だからこそしっかり整備する必要があります。

必要な整備一覧

*指針の整備(法人としての方針)

*マニュアルの整備(事業所においてのマニュアル)

*周知(事業所に掲示します)
*記録書式の整備

緊急時対応ですが、事故対応とも似ていますが例えば利用者が事業所を利用中に発作で倒れた場合などが考えられます。事前に持病がある利用者に対しては対応方法は聴き取りをしているはずです。そうではない場合も考えられるため、万が一のために整備しておきましょう。

必要な整備一覧

*指針の整備(法人としての方針)

*マニュアルの整備(事業所においてのマニュアル)

*従業者へ周知
*記録書式の整備

ヒヤリハットは事故や緊急の事柄ではないけれど記録しておくべき事項を記録するものです。これをもとに研修を行うこともでき今後の事業所のより良い運営につなげることができます。

必要な整備一覧

*記録書式の整備

*従業者への周知

【まとめ】

これまで記載した「義務化の書類」についてですが、以下のことに注意が必要です。

Danger

・開催した委員会の記録作成及び周知

・実施した研修の内容、参加メンバーの記録及び研修内容の記録

⇒参加した各メンバーの感想などもあると良い

・実施した訓練の内容及び参加者の記録

些細なことでも構いません。日々の事業所運営において何かしらの記録があることにより、事業所を守るための材料にもなりうるものです。

害福祉サービス事業所において、各種の委員会、研修、訓練の実施はほぼ毎月のように何かしら行う必要があります。これまで見てきた数々の義務化のものの数が多いので自然とそうなります。年度初めには各種の委員会等の実施計画を立てるようにしましょう。計画的に行うことが難しいことも起こり得ます。毎月振り返りをしてみましょう。

きしだ行政書士事務所では、障害福祉サービス事業所の日々の運営サポートを行っております。初回のご相談は無料です。予約制となっていますのでこちらからお気軽にお問合せください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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