【令和8年度版】処遇改善加算はどうなる?をわかりやすく解説
神戸三宮のきしだ行政書士事務所です。今回は処遇改善加算についての制度解説になります。
4月15日が処遇改善加算の計画書提出締め切り日でした。令和8年度は特例要件が盛り込まれ、また書式が4月7日に差し替えられるという何ともドタバタな現場でしたが皆さんは間に合いましたでしょうか?
私は別件で4月15日締め切り日当日に窓口へ伺いましたが、処遇改善加算の計画書の提出に来られている事業所の方々が窓口で行政担当者とお話されている姿をお見掛けしました。
今回の特例要件について、お互いに理解がしづらい様子でした。 そこで今回の記事を作成しました。ご参考にしていただけたらと思います。
障害福祉現場における「処遇改善加算」とは
福祉・介護職員の処遇改善とは、 平成23年度まで実施した福祉・介護人材の処遇改善事業における助成金による賃金改善の効果を継続させるため、平成24年度の障害福祉サービス等報酬改定において福祉・介護職員処遇改善加算を創設されました。その後も加算率の充実等により継続して改善を図ってきました。令和元年10月には、福祉・介護職員等特定処遇改善加算を創設し、令和4年10月には福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算を創設し、その流れが今の障害福祉現場における処遇改善加算となります。
報酬改定は3年に1度行われるので次回は令和9年の実施になるところを、その改定を待たずに令和8年に一部改定されることになりました。
福祉の現場に従事されている支援員等の方の給与と他の業界の給与とに大きな差がまだまだあるということです。
ではどのように変わるのでしょうか?
(※資料はすべて厚労省「「福祉・介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方並びに
事務処理手順及び様式例の提示について」(令和8年度分)より)
神戸市のホームページはこちら神戸市:処遇改善加算(障害福祉サービス事業者)
令和7年度「福祉・介護職員等処遇改善加算」の基本
令和7年度の福祉・介護職員等処遇改善加算は令和6年度の障害福祉サービス等報酬改定において一本化された新加算の仕組みにおいて実施されていました。
主な内容
・旧3加算(福祉・介護職員処遇改善加算(以下「旧処遇改善加算」という。)
・福祉・介護職員等特定処遇改善加算(以下「旧特定加算」という。)
・福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算(以下「旧ベースアップ等加算」という。)をいう。以下同じ。)の各区分の要件及び加算率を組み合わせる形で、令和6年6月から「福祉・介護職員等処遇改善加算」(以下単に「処遇改善加算」という。)への一本化
一本化された内容については
・月額賃金改善要件
・キャリアパス要件
・職場環境要件
制度の継続性と安定的な賃金底上げ
令和8年度からは福祉・介護職員のみにとどまらず障害福祉従事者を対象に幅広く賃上げを実施するとしています。また生産性向上や協働化に取り組む事業所向けの加算区分も設けられます。
そして、これまでは対象外であった計画相談支援・障害児相談支援・
地域相談支援についても新たに処遇改善加算の対象になります。(6月以降)
処遇改善加算の単位数
サービス別の基本サービス費(各種加算減算後)×サービス類型別・加算区分別加算率
※4月5月と6月以上とでは加算率が異なります
4月5月は以下の表の加算率

6月以降は下記の表


処遇改善加算の基本の要件について
・賃金改善は基本給や手当等対象とする項目を特定したうえで行うこと
・上記特定した項目を含め賃金水準を下げてはいけない

つまり昨年の賃金額を下げた上で処遇改善加算の給付を行うことはできません
・令和7年度と比較して増加した加算額(新規算定や区分の引き上げ)と令和8年6月以降に引き上げられた加算率とを加えた加算額について、新たに賃金改善を行う
・賃金改善はベースアップ(基本給または毎月決まって支払われる手当など)による実施を基本とする
・特に経験・技能を有する福祉・介護職員、勤続年数10年以上の職員などに配分する

特定の1部の職員に集中させることや法人内の1部の事業所にのみ集中させる等偏った配分にならないように注意しましょう
処遇改善加算の区分別要件について(Ⅰ及び1のイ)
月額賃金改善要件
処遇改善加算Ⅳの加算額の2分の1以上を基本給等の改善に充てる
キャリアパス要件Ⅰ
・職位・職責・職務内容等に応じた任用要件を定める
・職位・職責・職務内容に応じた賃金体系を定める
・これらを就業規則又はそれに準ずる規程を書面で整備し職員に周知する(配布等)
⑧【令和8年度特例要件】
・「生産性向上のための取組」から5以上の取組を実施(ただし⑱と㉑は必須=つまり⑱と㉑と他3以上の取組)または社会福祉連携推進法人に所属する
・処遇改善加算Ⅱロの加算額の2分の1以上を基本給等の改善に充てる
キャリアパス要件Ⅱ
・職員の職務内容に応じて、資質向上の目標及び具体的な研修計画を策定し、研修の実施又は研修の機会の確保をする
・この研修計画及び研修の実施・機会の確保について職員へ周知する
キャリアパス要件Ⅲ
経験や資格等に応じて昇給する仕組みの整備(・経験に応じて昇給する仕組み・資格等に応じて昇給する仕組み・一定の基準に基づき定期に昇給する仕組み)
・これらの内容を就業規則またはこれに準ずる規程等の書面を整備し、すべての職員に周知する
キャリアパス要件Ⅳ
経験・技能のある福祉・介護職員のうち1人以上は、賃金改善後の賃金の見込み額が年額460万円以上であること(賃金改善前の賃金が年額460万円以上であるものを除く)
キャリアパス要件Ⅴ
福祉専門職員配置等加算または特定事業所加算の届出
職場環境要件
・「入職促進に向けた取組」、「資質の向上やキャリアアップに向けた支援」、「両立支援・多様な働き方の推進」、「腰痛を含む心身の健康管理」及び「やりがい・働きがいの醸成」の各区分から2以上の取組
・「生産性向上のための取組」から3以上の取組(但し⑱は必須)
・ホームページ等で取組について公表する
令和8年度特例要件
・「生産性向上のための取組」から5以上の取組を実施(ただし⑱と㉑は必須=つまり⑱と㉑と他3以上の取組)または社会福祉連携推進法人に所属する
・処遇改善加算Ⅱロの加算額の2分の1以上を基本給等の改善に充てる

処遇改善加算の区分別要件について(Ⅰ及び1のイ以外)
Ⅰロの要件
Ⅰイの要件に⑧令和8年度特例要件が加わります
Ⅱイの要件
⑥キャリアパス要件Ⅴ 福祉専門職員配置等加算または特定事業所加算の届出が不要
Ⅱロの要件
⑥が不要で⑧令和8年度特例要件が加わります
Ⅲの要件
⑤⑥が不要
Ⅳの要件
④⑤⑥が不要
まとめ
いかがでしたでしょうか?
厚労省の「「福祉・介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(令和8年度分)において、「誓約をすると要件を満たす」や「令和8年度特例要件を満たすことで、要件を満たす」などわかりにくい記載となっています。この記事を参考に貴事業所がどの区分になりどの要件が必要となるのかを再度確認してみてください。
そして「誓約により要件を満たす」を選択している場合には今年度中に、要件を満たす取組等を行わないといけません。
神戸市では運営指導の際にあまり処遇改善加算の要件について確認されることは今まで少なかったですが、今後は確認されることも増えてくるだろうを考えています。
貴事業所において再度確認されることをお勧めします。
きしだ行政書士事務所では新規事業所の設立はもちろん、運営に関するご相談も受け付けております。
ご相談は無料です。お困りごとがありましたらお気軽にご相談ください。
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最後までお読みいただきありがとうございました。

