【障害福祉・運営指導とは?日ごろから適正な運営を!】神戸市
神戸三宮のきしだ行政書士事務所の情報室です。
神戸市を中心に兵庫・大阪において障害福祉サービス事業所の指定申請サポート・
運営サポートを行っています。
今回は、障害福祉事業所の気になる「運営指導(旧実地指導)」についてまとめました。
運営指導(旧実地指導)とは、3年から5年に一度、行政が障害福祉の事業所を訪問し
その事業所の運営状況を確認することを指します。
運営指導は法律上「行政指導」に当たるため
その指導内容に従わなかったことのみで行政処分を受けることはありません。
しかし、この運営指導において日ごろの運営状況が「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」における
障害福祉サービス事業所の運営基準等に則った適切な運営が行われていないと
判断され監査へとつながり、返金処分や著しい違反が認められる場合で
悪質なケースでは指定取り消し処分を受ける場合もあります。
障害福祉サービス事業所においては常日ごろから適切な運営を心掛け
必要な記録などの書類や運営基準に則ったサービス費の請求等を行い
いつ運営指導が来ても慌てない対策を心がけましょう。
【運営指導とは?】
運営指導とは、指定権者(神戸市)がその事業所が適正な運営を行っているかを
確認することです。
- 記録が必要な書類がそろっているのか?
- 利用者側に渡す書類等はきちんとあるのか?
- 備えるべきマニュアル等は備わっているか?
- サービスを提供するうえで必要な計画書は作成しているのか?
- スタッフの勤務状況の確認がきちんと行われているのか?
- 加算や減算が適切に行われているのか?
このような内容をチェックされます
《運営指導の頻度》
通常、新規に障害福祉サービス事業所の指定を受けてから1年以内
それ以降はおおむね3年に1度程度の頻度で行われます。
運営指導を受け著しい不正や違反があった場合に監査が行われます。
《運営指導から監査・行政処分の関係》
厚生労働省 介護保険施設等指導マニュアルより
運営指導は全事業者が対象ですが
監査は運営基準の著しい違反や給付金の不正請求が疑われる場合に行われます。
あるいは通報による監査もあります。
監査の結果、著しい不正等が認められた場合は行政処分となります。
ひどく悪質な場合、指定取消処分になります。
勧告や命令、指定取消処分を受けると受取済みの給付金を返金することや
場合によっては返還金額の40%を追加徴収されますので注意が必要です。
行政処分を受けた事業所は公表されます。
神戸市:介護保険サービス・障害福祉サービス事業者に対する行政処分
【運営指導で何を確認されるのか?】
具体的な確認項目については事業所に届く「運営指導通知」に記載されます。
この通知は実施予定日のおおむね1か月以上前に事業所へ送付されます。
この通知を受け取った事業者は自己点検シートに沿って自己点検を行い
その結果を神戸市へ報告します。
《主な着眼点》
運営の項目
- 指定基準等の基準を遵守しているか
- 届出の内容は適正か
- 防災対策のリスクマネジメントは適切か
- BCPは作成されているか
- 虐待防止・身体拘束適正化・感染症防止等の対策は適正か
- 個人情報の管理は適切か
- 運営規定と重要事項説明書との整合性
請求の項目
- 加算の要件は満たしているか
- 給付費の請求内容と実態に相違ないか
人員の項目
- 必要な人員を配置しているか
- 必要な研修を行っているか
個別支援計画
- アセスメント→原案→スタッフ会議→個別支援計画
- 適切な期間内に作成されているか
【運営指導で点検される資料】
人員関連
- 勤務予定表・勤務形態一覧・雇用契約書・就業規則・賃金台帳
- 出勤簿・従業者名簿・資格証・身分証明書
- 研修計画
- 秘密保持誓約書など
運営関連
- 運営規定
- 加算・減算に関連する書類
- 送迎記録・医療機関連携の記録
- 支援計画シート
- 身体拘束適正化関連書類
- 虐待防止関連書類
- BCP
- 感染症対策マニュアル
- 苦情対応・事故対応・緊急時対応・災害予防マニュアル
- 安全計画
- ハラスメント指針
- 予算・決算等の会計書類
- WAMネット公表の記録など
利用者関連
- 利用契約書
- 個人情報使用に関する同意書
- 重要事項説明書
- 受給者証の写し
- サービス提供記録
- 個別支援計画
- 利用者負担額の請求書・領収書
- 法定代理受領の通知書など
その他
- 指定申請当初の書類一式
- 各種変更届
- 処遇改善加算関係の書類
- 業務管理体制
- 平面図・配置図等など
【運営指導実施の流れ】
介護保険施設等指導マニュアルより
【運営指導実施前の自己点検で不備が見つかった場合】
日ごろから適正な運営を心がけていても
間違いや抜けが生じことがあるのは仕方のないことです。
もし自己点検中に不足している書類や加算の要件を満たさないにもかかわらず
加算を請求していたことが分かった時にはどのようにすればよいでしょうか?
過去の書類を遡った日付で偽って作成すると
記録の捏造となり不正となります。絶対にやめましょう。
見つかった時点以降、記録に不備が生じないように気を付けて運営します。
不備そのものよりも、不正行為自体に厳しい評価がつきます。
加算等の請求に誤りが見つかった時には、過誤の手続をしましょう。
どちらも軽い気持ちで行う行動で大きな損害を出すことになります。
気を付けましょう。
【運営指導当日】
サービス管理責任者や児童発達管理責任者、会計担当など当日の担当者による
質問に即答できる人は必ずスケジュール調整をして運営指導に同席するようにしましょう。
【まとめ】
日ごろから適正な運営を心がけていれば、運営指導は怖くありません。
しかし、だれにもミスはありますし毎日の運営の忙しさにより
記録などを後回しにしてしまいがちになるかもしれません。
各指定権者から出される自己点検シートをうまく活用し
定期的に自己点検するようにしましょう。
そして、ミスや記録の抜けが見つかった時には不正につながるような行動は
絶対にしてはいけません。
見つけた時点以降から抜けが無いようにすれば大丈夫です。
きしだ行政書士事務所では障害福祉事業所の運営サポートを行っています。
ご相談は無料です。
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最後までお読みいただきありがとうございました。