【令和6年改定!放デイ支援強化と新加算制度の内容について】
神戸三宮で障害福祉を専門にサポートをしているきしだ行政書士事務所です。
今回は令和6年度の改定により加えられた放課後等デイサービスにおいて
支援制度の強化と新たな加算制度について
1年経過しつつある現在、再度確認していただきたい内容を記事にしました。
最近になり運営指導の件数も増えつつありますので
運営指導対策としてもご活用ください。
放課後等デイサービス「個別サポート加算(Ⅲ)」の創設
背景と目的
近年、不登校児童の増加が深刻化し、令和4年度には約29万9千人に達しました。
この状況を受け、放課後等デイサービスは不登校の障害児に対する支援を
強化するため、「個別サポート加算(Ⅲ)」を新設しました。
目的
- 学校や家庭と連携し、不登校の障害児に適切な支援を提供
- 障害児が安心して過ごせる環境を整備
- 社会的コミュニケーション能力の向上を図り、将来的な社会参加を促進
対象となる障害児
- 心理的、情緒的、身体的、社会的要因により登校できない障害児
- 病気や経済的な理由による欠席者は対象外
- 保護者の同意を得て、学校と連携して支援を行うことが前提
加算の算定要件
学校との日常的な連携
- 保護者の同意のもと、学校と情報共有
- 学校と連携し、個別支援計画を作成
- 月1回以上の情報共有を行い、記録を残す
家庭との連携
- 家族への相談援助を月1回以上実施(訪問・対面・オンライン可)
- 家族支援加算とは別に実施
市町村との連携
市町村からの確認要請があった場合、支援状況を説明
支援の進め方
- まずは障害児の気持ちに寄り添い、自己肯定感を高める
- 登校できない要因を分析し、適切な個別支援計画を立案
- 障害児本人の意思を尊重しつつ、学習機会を確保
- 学校や家庭と連携しながら、継続的な支援を提供
留意点
- 事業所側の一方的な支援ではなく、学校・保護者との信頼関係を構築する
- 既存の放課後等デイサービスを利用していた障害児が対象
- 授業時間帯における支援も可能だが、学校・家庭と十分な連携をとる必要がある

注意:本加算は、放課後等デイサービスを利用する障害児が不登校になった場合の支援を対象としており、不登校だけで給付対象にはなりません。
放課後等デイサービス「支援プログラム」の作成と公表義務化
令和6年度の報酬改定により、放課後等デイサービスでは「支援プログラム」の作成・公表が義務化されました。

注意:令和7年4月より支援プログラム未公表減算が算定開始になります。
所定単位数の85%で算定となりますのでご注意ください。
目的
総合的な支援の推進
事業所の支援方針を明確化し、職員全員が共通理解を持つ
支援の「見える化」
支援内容を保護者や利用希望者に公開し、適切なサービス選択を可能にする
支援プログラム作成のポイント
職員全体で作成
- 支援プログラムは、個別支援計画につながる重要なもの。
- 管理者や責任者だけでなく、実際に支援を行う職員の意見も取り入れる。
支援プログラムの役割
- 職員間の共通理解を深める:事業所の理念や支援方針を全職員で共有。
- 支援内容の「見える化」:こどもや家族が適切なサービスを選べるようにする。
多機能型事業所の対応
複数の事業を行う場合、それぞれの事業ごとに支援プログラムを作成する。
支援プログラムの記載項目
基本情報
- 事業所名、作成年月日
- 法人・事業所理念、支援方針
- 営業時間、送迎の有無
支援内容
- 本人支援の内容と5領域(健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、人間関係・社会性)との関連性
- 家族支援(きょうだい支援含む)
- 移行支援(就学・進学・社会参加)
- 地域支援・地域連携
- 職員研修・スキル向上施策
- 年間行事(季節のイベント等)
公表の義務
- 令和6年4月1日から、作成・公表が義務化
- 公表方法:事業所のホームページやその他の手段で公開
- 都道府県への届け出が必要
- 令和7年4月1日までに公表しない場合、減算対象となる
令和6年度新設・見直しの放課後等デイサービス加算一覧
新設・見直しされた加算と要件
加算名 | 主な要件 |
延長支援加算 | 時間区分の創設により見直し |
子育てサポート加算(新設) | 個別支援計画に位置付け、計画的に実施 |
通所自立支援加算(新設) | ・通所支援の安全確保を目的とし、安全計画に基づく支援を実施 ・個別に配慮すべき事項等について個別支援計画に位置付け |
自立サポート加算(新設) | ・障害児の希望する進路を円滑に選択できるよう支援 ・自立サポート計画を作成 |
個別サポート加算(Ⅲ) | 不登校の障害児支援に特化 |
家族支援加算(創設・見直し) | 個別支援計画に位置付け、計画的に実施 |
強度行動障害児支援加算(Ⅰ)(Ⅱ)(新設・見直し) |
加算の適用時期と注意点
- 令和6年4月サービス提供分の請求までに各種計画を作成
- 各加算には、学校・家庭・市町村との連携が必須
- 障害児の個別ニーズに合わせた適切な支援計画の策定が求められる
まとめ
令和6年度の改定により、放課後等デイサービスにおける 不登校児支援や
支援プログラムの「見える化」が進められています。
事業所は、**個別サポート加算(Ⅲ)**を活用しながら、
学校・家庭・市町村と連携し、継続的な支援を提供することが求められます。
また、支援プログラムの作成・公表義務化により、サービスの透明性が高まり、
利用者が適切な支援を受けられる環境が整備されていきます。
事業所は、各加算の要件を理解し、適切な支援計画を策定することで、
障害児とその家族の生活の質を向上させる取り組みを
強化していくことが重要です。
きしだ行政書士事務所では障害福祉サービス事業所のサポートを行っております。
各種の加算、処遇改善加算の計画等、ご相談は無料です。
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最後までお読みいただきありがとうございました。