【おひとり様が対策すべき相続のポイント】わかりやすく解説
神戸市で生前対策から死後事務まで相続対策を行っています
きしだ行政書士事務所の情報室です。
今回は、「おひとり様の生前対策」としておひとりさまが対策すべき
相続のポイントをわかりやすく解説します。
「おひとり様」の定義にはいくつかありますが
- 子供のいないご夫婦
- 両親と未婚の一人っ子の3人家族
- 独身の人
このような人が当てはまります。
令和元年の厚生労働省のデータによりますと、
高齢者の内、単身世帯及び夫婦のみの世帯の割合は96.2%となっています。
では、高齢者になりおひとり様になった場合の起こりうるリスクとは
どのようなものがあるのでしょうか?
【おひとりさまの相続対策とは】
高齢者のおひとり様になった場合のリスクには以下の点が挙げられます。
- 認知症
- 介護
- 病気・ケガ
- 入院・入所時の身元保証人
- 孤独死
- 葬儀の手配
- 遺産相続
- お墓・納骨
- 死亡後の契約整理・支払い等
- 死亡後の役所手続
これらのリスクについて、どのようにして不安を取り除いていくかが
おひとりさまの相続対策と言えます。
このようなリスクを少なくするための「おひとり様サポート」として
以下のような契約等を準備するとよいでしょう。
- 任意後見契約
- 身元保証委託契約
- 公正証書遺言書
- 死後事務委任契約
- 尊厳死宣言書
これらは元気なうちに(判断能力があるうちに)準備しておきましょう。
【おひとりさまが知っておくべき相続対策の基礎知識】
《任意後見契約》
元気なうちに自分の後見人を決めておくこと
元気なうちに「自分の後見人」を決めておくポイントは
☑後見人=認知症等により判断能力が失われた場合に
財産管理と身上保護をしてくれる人
☑ご親族やご友人も後見人になることができる
☑司法書士等の専門家を後見人に指定することもできる
《任意後見契約のメリット》
あらかじめ自分の希望する人を後見人に指定することができる。
介護や医療等の希望を伝えておくことができる。
- 任意後見契約は公正証書において作成することになります。
- 介護や医療等の希望については「ライフプラン」の中でご相談をしながら
きめ細かく決定していくことができます。
《身元保証委託契約》
自分の身元保証人を決めておくこと
☑介護施設への入所他病院へ入院する際、身元保証人が必要になります
☑身元保証人は本人と連帯して債務を負う
☑後見人と身元保証人とは兼務できない
《身元保証委託契約のメリット》
身元保証委託料を支払うことで、気兼ねなく自分の身元保証人になってもらうことができる。
-
なぜ後見人と身元保証人は兼務できないのか?
-
後見人は本人の財産を守る立場の人です。
保証人と後見人とが同一人物の場合、後見人が後見人=本人へ求償することとなり
利益相反関係となるため保証人と後見人とは別人物である必要があるのです。
※「求償」とは賠償金の返還を求めること
《公正証書遺言書の作成》
公証人及び証人2人の前で、遺言の内容を口授することにより作成する
【生前対策のススメ】生前対策に有効な遺言書の書き方参照してください
遺言書を書くことにより、遺産分割の方法の指定や法定相続人以外の人(法人も可)
に遺贈することができます。
遺言執行者を指定することにより、亡くなった後の相続手続きを任せることができます。
《公正証書遺言と自筆証書遺言の比較》
公正証書遺言と自筆証書遺言のメリットデメリットの比較を表にまとめました
※公証役場手数料は、遺言内容や財産額により異なります。
参照:日本公証人連合会Q7.公正証書遺言の作成手数料は、どれくらいですか? | 日本公証人連合会 (koshonin.gr.jp)
《死後事務委任契約》
自分の「死後の事務」について託しておく契約
☑死後事務とは、葬儀・納骨・葬儀後手続全般について
☑遺言では拘束力がない事項について契約内容に盛り込む
《死後事務委任契約のメリット》
自分が亡きあとのことについて、頼れる人がいない場合、
迷惑をかけたくない場合に諸事についてあらかじめ託す人を決めておくことができる。
※一般的な委任契約は委任者の死亡により契約終了となります。(民法653条)
しかし、「死後事務委任契約」は内容そのものが死後の事務であるため
契約は終了しないと解されています。
《死後事務サポートの例》
- 希望した方への訃報の連絡
- 葬儀・火葬手続きの手配、費用の支払い
- 埋葬・散骨に関する手続き
- 病院・医療施設の退院、退所手続き
- 公共サービス等の解約・精算手続き
- 住民税・固定資産税の納税手続き
- 遺品整理に関する手続き
- 住居内の遺品整理立ち会い
- 相続財産管理人の選任
《尊厳死宣言書》
自分の「終末期医療」について意思表示をしておく書面
☑医師は少しでも目の前の患者を延命させることが使命です
☑必ずしも担当医を拘束するものではありません
☑ご家族がいない方で終末期医療について希望がある方は準備しておきましょう
☑身元引受人になる者へ託しておきましょう
《その他の付帯サポート》
その他のサポートとして以下が考えられます。
財産管理委任契約・・・判断能力はあるが、心身の状態により手続きを自分でできないような状態の場合に、
財産管理や療養看護に関する事務について代理権を与える契約です。
☑公的に監督する人がいない
☑社会的に信用度が高いとは言えないため、銀行における対応は様々です。
見守りサポート契約・・・定期的に連絡を入れてもらうサービス契約です。
【まとめ】
高齢者のおひとり様のリスクについてまとめてみました。
いかがでしたでしょうか?
ご自身に当てはめてみて必要性を感じる方は
元気なうちに適切な準備をすることが重要です。
これらの対策を講じることで、不測の事態に備えると共に、
大切な財産を守り、思い通りの形で次世代に引き継ぐことができます。
人生の終盤においても安心して過ごすために、
早期の準備が鍵となります。
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