【就労継続支援A型】運営に関する基準についてわかりやすく解説

神戸市で障害福祉サービス事業所のサポートを行っております「きしだ行政書士事務所」の情報室です。

今回は就労継続支援A型事業所の運営基準についてまとめてみました。

障害福祉サービス事業所は、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」に基づき

必要な要件を満たし書類を都道府県等に提出して指定を受けることで国から給付金を受け取ることができるようになります。

必要な要件の内容はサービスの種類によってさまざまです。

要件は大きく分けて3つあります。

  • 人員に関する基準
  • 設備に関する基準
  • 運営に関する基準

これらの基準を確認するには厚生労働省から出されている省令やその他の解釈通知を読み込んでいくことが必要となります。

省令を読みながら通知も読んでいくことはとても時間もかかり言葉も難しいため、初めてですと気が遠くなる作業です。

今回は就業継続支援A型の「運営基準」についてわかりやすく解説します。

【就労継続支援A型事業所の運営基準】

《運営主体》

法人であることが前提で、かつ社会福祉法人以外であれば専ら社会福祉事業を行う法人でなければいけません。

つまり法人の定款に記載する目的部分について社会福祉事業以外の目的が書かれていると指定を受けることができませんので要注意です。

《雇用契約の締結》

就業継続支援A型事業所と利用者との間に雇用契約を締結することが前提となります。

雇用契約によらない利用者についても受け入れが可能となりますが一定の基準があります。

  • 利用定員が10人以上20人以下・・・利用定員×100分の50
  • 利用定員が21人以上30人以下・・・10又は利用定員×100分の40いずれか多い数
  • 利用定員が31人以上・・・12又は利用定員×100分の30いずれか多い数

就業継続支援A型事業所は利用者に対し最低賃金を保証しなければならないことから、

安定して収益を上げられる事業を行うことで利用者に安定して継続的に就労の機会を提供することができます。

そこで就業継続支援A型事業所においては、指定を受ける際に障害者に対して就労の機会の提供に当たり

「生産活動における収入」から「生産活動における経費」を控除した額より「利用者に対する最低賃金」を支払うことが可能な事業計画書を提出します。

《障害者の就労について》

利用者の障害の程度や特性に合わせて作業能率の向上

利用者の就労に必要な知識及び能力の向上に努めなければならないとされています。

  • 就労継続支援A型計画の作成や継続なアセスメント、モニタリングを実施
  • 就業規則の整備
  • 利用者の就労に必要な能力の向上のため、事業所の従業者の支援の質の向上を図るための研修の実施、参加の機会の提供
  • 就業者が支援等に常に意欲的に取り組めるようなキャリアアップの仕組みの構築

《賃金及び工賃について》

雇用契約を締結している利用者

就労継続支援A型事業所の利用者が将来の自立した社会生活を送るため、

事業所が支払う賃金の水準を高める努力をしなければなりません。

事業所は「生産活動による収入」から「生産活動に係る経費」を差し引いた額が「利用者に支払う賃金の総額」以上になるようにしなかればなりません

「生産活動による収入」―「生産活動に係る経費」>「利用者に支払う賃金総額」

これは、余剰金が発生してもよいというものではなく

将来にわたって安定的に賃金を支給するため又は安定的かつ円滑に事業所を継続するために

一定の条件のもと「工賃変動積立金」「設備等整備積立金」を積み立てる事が出来ます。

雇用契約によらない利用者

就業継続支援A型事業者は「生産活動による収入」から「生産活動に係る経費」を差し引いた額を工賃として支払わなければなりません。

1月当たりの工賃の平均額は3,000円を下回ってはなりません。

以上の基準を満たさない場合には、事業所に対し経営改善計画書の提出が課されます。

《経営改善計画書》

経営改善計画書の提出を課された事業所は原則1年間の経営改善のための猶予を与えられます。

当該計画書は事業所のホームページ等で公表します。

1年ごとに経営改善を促し、ある一定の改善が見られた場合は計画書の提出のみですが経営改善が見られない場合には

勧告・命令・指定の取り消し・または停止処分となりますので要注意です。

経営改善計画の提出を求められた場合は早急に以下の点を改善するよう努めましょう。

  • 生産活動に係る収入の増加
  • 生産活動に係る経費の削減
  • 利用者の平均労働時間を長くする
  • 利用者に支払う賃金総額の増加

《実習の実施》

利用者が就労継続支援A型計画に基づいて実習を実施できるよう、

受入れ先の確保に努めるとともに、公共職業安定所等の関係機関と連携して、

利用者の移行及び適正を踏まえて行うよう努力しなければなりません。

《求職活動の支援》

就業継続支援A型事業所は利用者が公共職業安定所での求職の登録等の支援をしなければなりません。

求人の開拓等に努めなければなりません。

《職場への定着支援》

就業継続支援A型事業所は利用者の職場への定着を促進するため、

障害者就業・生活支援センター等の関係機関と連携して利用者が就職した日から6か月以上、

相談等の支援とを継続する努力をしなければなりません。

《その他》

就労継続支援A型事業所へは利用者が自ら通所することを基本としていますが、

障害の程度等により自ら通所することが困難な利用者に対しては、

送迎を実施するなどの配慮を行うことも検討してください。

【情報公開】

就業継続支援A型事業所はおおむね1年に1回以上、事業所の運営状況に関する必要事項を

障害福祉サービス等情報検索ウェブサイトhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000202214_00001.htmlにおいて公表しなければならない。

公表時期は原則毎年度4月中

その他事業所のホームページにおいても公開を可能な限り実施すること。

【まとめ】

以上、就労継続支援A型事業所における運営基準について、省令や通知について解説いたしました。

その他にも、スコア方式により評価基準や報酬についても省令や通知が多くあります。

しっかり確認し適正な運営をすることを心がけましょう。

きしだ行政書士事務所において障害福祉サービス事業所指定申請サポートを行っております。

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